「塾講師をやってみたいけれど、資格は必要?」

「持っていると役立つ資格はある?」

この記事では、こうした疑問にお答えします。内容は次の順です。

  • 塾講師に資格は必要?求められるものは?
  • 塾講師におすすめの5つの資格
  • 塾講師に必要なスキルを伸ばす方法

塾講師に資格は必要?塾講師に求められるものってなに?

結論から言うと、塾講師になるために必須の資格はありません。学校の先生のような免許の制度はなく、資格を持っていなくても応募できる募集がほとんどです。

ただし、塾ごとに応募の条件を決めていることはあります。たとえば「大学生以上」といった条件です。

実際の選考では、資格の有無よりも、担当する科目を教えられるか、生徒ときちんと向き合えるかが見られることが多いでしょう。

塾講師に求められる5つの能力

では、塾講師にはどんな力が求められるのでしょうか。ここでは次の5つを紹介します。

  • 学力
  • 責任感
  • 謙虚な姿勢
  • コミュニケーション能力
  • プレゼンテーション能力

学力

塾講師は勉強を教える仕事なので、担当する科目の学力は欠かせません。

大切なのは、どの学校を出たかよりも、担当する範囲の問題を自分で解き、筋道を立てて説明できるかどうかです。選考で学力テストを行う塾が多いのも、実際の力を確かめるためです。

また、教える側になると「解ける」だけでは足りません。生徒がどこでつまずきそうかを想像しながら、考え方を言葉にできることも大事になります。

責任感

塾講師は、担当する生徒の大切な時間を預かる仕事です。生徒は、自分で決めた目標に向けて、限られた時間を使って塾に来ています。

だからこそ、

  • 直前になって授業を休む
  • 準備をしないまま授業に臨む

といったことは避けたいところです。

授業の前に扱う問題を解き直し、どこで手が止まりそうかを考えておく。そうした積み重ねが、生徒からの信頼につながります。

謙虚な姿勢

「自分は教えるのが上手だ」と思い込んでしまうと、ほかの講師のやり方から学んだり、本を読んだりするきっかけがなくなってしまいます。

講師にも、解けない問題や、うまく説明できないことはあります。そんなときに知ったかぶりをせず、「一緒に考えよう」「調べて次回説明するね」と言えることも、謙虚な姿勢のひとつです。

講師自身が学び続ける姿を見せることは、生徒が安心して質問できる雰囲気にもつながります。

コミュニケーション能力

塾講師の仕事は、知識を一方的に伝えることではありません。生徒が自分で考え、できるようになっていくのを支えることです。

そのためには、まず生徒の話をよく聞くことが大切です。「ここがわからない」と自分から言える生徒もいれば、うまく言葉にできない生徒もいます。途中まで解いてもらったり、考えたことを説明してもらったりすると、どこで止まっているのかが見えてきます。

また、話す相手は生徒だけではありません。保護者と学習の様子を共有する場面もあり、丁寧にやりとりすることが信頼につながります。

プレゼンテーション能力

集団授業では、たくさんの生徒の前で話すことになります。1対1の指導とは違い、全員に伝わる話し方や、説明の組み立て方が大切になります。

授業の後半は、どうしても集中が途切れがちです。そんなときは、講師が話し続けるよりも、生徒に問いかけたり、少し手を動かして考える時間をとったりすると、生徒が自分から授業に参加しやすくなります。

文部科学省の資料で示された、教師に求められる3つの資質

学校の先生については、文部科学省の中央教育審議会の答申で、優れた教師の条件として次の3つが挙げられています。塾講師にも通じる考え方なので、参考として紹介します。

  • 教職に対する強い情熱
  • 教育の専門家としての確かな力量
  • 総合的な人間力

教職に対する強い情熱

教師の仕事に対する使命感や誇り、子どもに対する愛情や責任感などを指すとされています。

塾講師に置きかえると、生徒一人ひとりに関心を持ち、その成長に最後まで付き合おうとする姿勢と言えるでしょう。

教育の専門家としての確かな力量

子どもを理解する力、集団を指導する力、授業をつくる力、教材を読み解く力などが含まれるとされています。

塾でも、生徒の今の理解度をつかみ、その生徒に合った進め方を一緒に考える力は欠かせません。

総合的な人間力

豊かな人間性や社会性、常識と教養、対人関係の力、同僚と協力していく力などが挙げられています。

講師のふるまいは、生徒にも伝わります。あいさつをする、約束を守るといった日々の関わり方そのものが大切です。

塾講師におすすめの5つの資格

資格がなくても塾講師にはなれますが、持っている資格は、自分の学力や学んできたことを伝える材料になります。ここでは次の5つを紹介します。

  • 日本漢字能力検定(漢検):2級以上
  • 実用数学技能検定(数検):2級以上
  • 実用英語技能検定(英検):2級以上
  • TOEIC
  • 学習塾講師検定

日本漢字能力検定(漢検):2級以上

漢検は広く知られた検定で、国語を教えたい人にとっては、漢字の力を示す目安になります。

2級は高校卒業程度のレベルとされているので、国語を担当するなら2級以上を持っていると伝わりやすいでしょう。

実用数学技能検定(数検):2級以上

数検は、数学の力を級ごとに測る検定です。

中学・高校の数学を教えたいなら、2級以上がひとつの目安になります。

実用英語技能検定(英検):2級以上

英検は、中学生や高校生にとっても身近な英語の検定です。生徒や保護者にもなじみがあるので、英語力が伝わりやすいのが特徴です。

2級は高校卒業程度とされています。高校生の英語を見るなら、2級以上を目安に考えましょう。

TOEIC

TOEICは、英語の力をスコアで示すテストです。一般的なのはListening & Readingのテストで、990点満点で結果が出ます。

合否ではなく点数で示されるので、自分の英語力を具体的に伝えやすいのが特徴です。何点以上なら有利という決まった基準はなく、塾や担当する学年によって見られ方は変わります。

学習塾講師検定

塾講師を対象にした検定です。塾での指導について体系的に学ぶきっかけになるので、塾講師として長く働きたい人に向いています。

検定の種類や試験の内容は、実施団体の最新の案内で確認してください。

教員免許や大卒がアピールになる場合も

塾講師は勉強を教える仕事なので、「教員免許があると有利なのでは」と考える人もいると思います。

採用の基準は塾によって違うため一概には言えませんが、教員免許状を持っていることが評価される場合はあります。教員免許状は、教育職員免許法に基づいて都道府県教育委員会が授与するもので、一般的には大学の教職課程で教育について学び、教育実習も経験したうえで取得するからです。

免許状そのものが重視されなくても、教えることに関心を持って学んできたことは伝わります。持っている場合は、履歴書の資格欄に書いておきましょう。

大卒については、「大学生以上」を応募の条件にしている募集もあります。ただし、学歴があればそれで教えられるわけではなく、実際に見られるのは担当する科目の学力です。

塾講師に必要なスキルを伸ばす方法は?

塾講師に必要なスキルを伸ばす方法として、次の3つを紹介します。

  • 読書
  • 身近な講師のやり方を真似る
  • セミナーや勉強会への参加

読書

一人で試行錯誤できる量には限りがあります。本には、その分野で経験を積んだ人が考えてきたことがまとまっているので、自分だけでは気づけなかったやり方に出会えます。

たとえば、人の話の聞き方や、問いかけ方についての本を読んでみると、生徒との関わり方を見直すヒントが得られるはずです。

読んだことを実際の授業で一つ試し、うまくいったかを振り返る。そこまでやると、読書が自分の力になりやすくなります。

身近な講師のやり方を真似る

「学ぶ」の語源は「まねぶ(まねる)」だという説があります。

教え方が上手だと感じる講師がいたら、授業を見せてもらったり、どんな声かけをしているのかを聞いてみたりしましょう。そのうえで、そのまま真似るのではなく、自分が担当する生徒に合わせて取り入れていくことが大切です。

セミナーや勉強会への参加

セミナーや勉強会は、指導について体系的に学べる場です。本と同じく、ほかの人が試してきたやり方を知ることができます。

ほかの場所で教えている人と話すことで、自分の教え方を見直すきっかけにもなります。

資格取得でスキルアップすることも

資格の勉強も、スキルアップにつながります。試験日という締め切りに向けて学ぶことで、知識を集中して身につけられます。

また、自分が学ぶ側に立つと、「わからない」「続けるのが大変」という生徒の気持ちを思い出すきっかけにもなります。

まとめ

ここまで、塾講師に資格は必要か、持っていると役立つ資格を紹介してきました。ポイントをまとめます。

  • 塾講師になるために必須の資格はない
  • 求められるのは、担当する科目の学力、責任感、謙虚な姿勢、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力
  • 持っていると役立つ資格
    • 日本漢字能力検定(漢検):2級以上
    • 実用数学技能検定(数検):2級以上
    • 実用英語技能検定(英検):2級以上
    • TOEIC
    • 学習塾講師検定

資格は、自分の力や学んできたことを伝える材料の一つです。資格がなくても、生徒と一緒に考え、自分自身も学び続けることで、塾講師として成長していけます。